アセチレンなどの可燃性ガスと酸素が結び付き、燃焼する際に発生する熱を利用して金属の接合を行う溶接方法です。
ガス溶接はガスの制御が容易なため、熱感受性による割れを発生する金属や薄板、溶融点の低い金属などの溶接に適しています。特徴として溶接温度が低く火花があまり発生しません。そのためガス溶接の方が溶接部をよく見ることができ、溶接しやすいといえます。ガスの供給量の調整が比較的容易で加熱量をうまく調整することができ、溶接欠陥が少なくなります。一方で、アーク溶接に比較して、熱の集中が悪いため、溶接時の加熱範囲、加熱時間が大きくなり、材料によっては、強度などが劣化してしまいます。
ガス溶接では、手軽な設備で溶接できると言われていますが、一般的にアセチレンガスと酸素という可燃性ガスを使用します。そのため衝撃や高温で爆発や火災の危険性が高く、ガスの特性を十分に理解して取り扱わなければなりません。したがって労働安全衛生法でも就業制限業務に指定されており、技能講習修了者でないとガス溶接作業を行うことはできません。ガス溶接を行うためには「ガス溶接技能者」という国家資格を所有している必要があります。