金属部品に限らず、製品を作るには図面が必要となります。しかし、専門的な図面は誰しもが描けるわけではありません。また、画を描くことができても、寸法を入れるなどして、図面として仕上げるのは難しい場合もあります。
そこで、図面を描くことができなくても、イメージ図で製品形状を、製図をできる人(CADオペレーターなど)に伝えて製図を依頼し、その図面をもって製品の製作を依頼することができます。この豆知識では、手描きで製品のイメージ図を描く際のポイントを解説します。
金属加工のイメージ図とは
製図についての豆知識・金属加工の図面が基礎からわかる!描き方・読み方で解説していますが、製品を作るための図面には色々なルールがあり、描くには専門知識が必要です。しかし、製図ができなくてもイメージを描くことができれば、大枠の形状と、必要な情報を記載して、製図ができる人に伝えることができます。このように製品の大枠の指示を記した図面を「イメージ図」と呼んでいます。製図の知識がない場合でも、イメージ図を利用して、製図を依頼し、製品を製作することができます。
金属加工のイメージ図を描くポイント
イメージ図を描く際には、特に図面枠などは必要ありません。真っ白な用紙や、方眼入りの用紙など、画の描きやすい用紙を選びます。製作したい物の画を描き、そのほか製作にあたり必要な項目を書き込みます。
<ポイント>
・図面のように投影法を厳守する必要はありませんが、読み手が理解しやすいように、製品の形状がわかりやすい画を描きます。
・画には、製品サイズがわかるように寸法を記載します。
・穴や、角のR(フィレット)・C(面取り)の指示などの位置・サイズが分かるように記載します。
・熔接箇所に、専門的な熔接記号はなくとも、熔接で取付けることが分かるように記載します。
・製品の画の他に、材質・表面処理・個数なども記載します。
以上のポイントを抑えながら、製図者に必要なことを伝えられる画を描きます。
イメージ図からの製図
手描きのイメージ図を基に、CADオペレーターなどの製図者が製図を行います。
ポイントを抑えながら、描いたイメージ図でも、手描きの場合は線が歪んでいたり、画と記入されている寸法のサイズ感が違うことが多くありますので、製図によって製作に必要な情報を補っていきます。製図した図面が下図になりますが、手描きのイメージ図ではわからなかった、正確な製品形状を確認することができます。形状の他にも、熔接の箇所や、穴の指示なども忠実に図面に記載されますので、実際に作りたい製品と相違が無いか、製図された図面をよく確認することが重要です。
製品のでき上がり
イメージ図から製図された製品は、その図面を基に製作されます。でき上がった製品が設計と異なることのないように、最初のイメージ図は必要な情報をしっかりと書いてください。
※この画像は製品イメージのため、メッキ処理はされていません。
製図のご依頼について
ここまで、手描きイメージ図で製品製作について解説しましたが、イメージ図が描けても、「製図をどこへ依頼したらいいか分からない」という方もいらっしゃるかと思います。そんな方のために、メタルGOでは手描きイメージ図からの製図も承っております。イメージ図を製図し、図面をご確認いただいてからご注文をお受けいたしますので、確実な製品形状をご確認いただいてからご注文いただけます。